「背伸びしてつま先で立とうとすればかえって足元が定まらない。自分を是とすれば、かえって無視される。自分を誇示すればかえって排斥される。自分の功績を誇ればかえって非難さらされる。自分の才能を鼻にかければ、かえって足を引っ張られる」 老子
私が、うつ病に陥ってしまったのも、私にこういったおごりがあったからなのでしょう。
老子という哲学者が2500年くらい前に言われた言葉が腑に落ちます。
自分が正しいと思い込んでいた自分が恥ずかしく思います。
この言葉の通り、私はわずかな自分の能力を鼻にかけ、自分を誇示していました。
あの頃はそれが正しいやり方だと思っていました。
例えば、生徒が失敗をすることがあった時は、どんな目的で、どんな考えでその行動を選択したのかを聞くようにしていました。
なるべく相手の状況や思いを理解しようと努めました。
それが優しいとかぬるいとか言われましたが、それが正しいと思い、やり抜きました。
私はただ生徒の成長につなげたかった。
大きい声で叱ることもしてきました。
ダメだと決めつけることもしてきました。
そんな経験から導き出した考えが、
成長を助けるためにすべきことは、罰することではない、決めつけることでもない、相手を理解するということだという考え方です。
特に部活動である野球に関してはこの考え方が効果的だったと感じています。
生徒との信頼関係も築けていけるし、お互いの想いや考え方も伝わりやすくなり、より深く関われるようになってきたと思います。
また、成長の様子や過程が楽しめるようになっていきました。
しかし、私が指導方法を変化させ、これが正しいと強く思い込んでしまったことで、足を引っ張られ排斥されてしまったのだと思います。
これからの生き方を心地よくしていくためにも老子のお言葉をかみしめ、活かしていきたいと思います。自分を否定するのではなく…。