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第5章 とどめ

  • 2020.10.22
第5章 とどめ

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序章 32歳の決断がうつへ向かう日々の始まり

2章 手ごたえ

3章 迫りくる危険

第4章 じわじわ追い込まれた4年間

処分

部活にあまり行けなくなり、行っても何も役割もない状態でしたが、
2017年3月「おまえの指導に対してクレームが入ったから、部活に来なくていいし、
野球部の生徒とは話してはいけない。」という旨の話がありました。

これは、辛かったです。
聞こえてくる野球の音・かけ声、練習風景、挨拶をしてくれる野球部員、全てがつらかった。

しかし、学校の処分なら仕方ないと割り切りました。

なぜなら、教師をやめたくはなかったからです。
あの頃の私には教師しか考えられませんでした。

いつかその保護者と話す場を設けてもらって、反省し改善していこうと思いました。

そこから、1年半、管理職からこの件で話もありませんでした。
学校では、処分は管理職が出すものです。
しかし、校長が変わってもこの処分についての話はありませんでした。

嘘とわかった処分

そして、2018年のある日、例の上司が「体育教員が部活も行かずに、何を遊んでいるんだ」と言ってきたので、
私が状況を説明すると、そんな処分はまったく知らないようでした。

管理職の一員である上司が知らない・・・。

悟りました。とても悔しかったです。

その前の年まで、私のクラスには2人の野球部員がいましたが、処分のことを考慮して話を聞いてやれなかった部分がありました。
本当に申し訳ない気持ちになりました。

このうそが発覚したときに、「許せない」という思いと「この環境でやっていけないかもしれない」という気持ちがとても大きくなりました。

とどめ

2018年4月、私の状況に見かねた他の教員が、私が謝って野球部に戻してもらえとアドバイスしてくださりました。

私も、この学校に執着していたし、「辞めたらどうすればいいのかわからない」というのが、本音でしたから謝ることにしました。

先輩からは「俺は変わる気はないから」の一言がありました。

これはとどめでした。
私に変われということでしょう。

縦の関係の指導スタイルに戻すなんて、ありえなかったのです。

ここでも、先輩・後輩という上下関係、体育会系というものにとらわれすぎていた私は、何も言い返さず、ただ憎悪の念を体内にとどめておくだけでした。

このやり取りが、私を転職の道へ促しました。

今はこの2人を許しています。
ここには事実と当時の感情・考えを残しています。

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